7月最終週は

初めての、世界遺産「白神岳」に向かいます。深浦町はなかなか遠いので弘前に前泊します。


早朝の日本海はどこまでも穏やかで長閑であります。ここをしばらく進むと左側に登山口へ向かう道が見えてきました。


写真中央の家族は父親が子供を背負って登るみたいですね。並大抵の体力ではないですね、かなりのツワモノと見ました。挨拶を済ませて先に私が山頂に向かいます。


駐車場から1キロ程進むと登山道の入口が見えてきました。初めての山は期待と不安が交差します。ここから登山道を数キロ進んで行くと分岐点が現れます。「マテ山コース」と「二股コース」。
私は「二股コース」を選択、右に向かって進んで行きます。ここから何だか雰囲気が違ってきますね。何だか「森が深い」。






以前登ってきた山々とはまったく別物ですね。森が深く手つかずの自然がそのまま眼前に横たわっています。凛とした空気に包まれ静けさはどこまでも深く些細な物音があたりの木々に反射してこだまします。何か得体のしれないものに凝視でもされているかのような圧迫感が付きまといます。それも、静かに・・・。


やや幅のある沢に出ました。入山してからずっと思っていたことなのですが時々道を見失います。この沢を渡ったはいいのですが、次はどこへ向えばいいのやら?しばしあたりを見回します。
こんなとこで道を見失ったらたまったものではありませんね。よく見ると右側奥のか細い木にピンクのテープが巻かれているのが見えました。良かった。さぁ行きましょう。


ここからは急坂登りになるみたい。なかなかです。相当な時間私はロープを頼りに45度から60度ほどの坂道を進みます。普段休憩はそれ程しないのですが、ここでは5~6回休みました。暑さと、思いもよらなかった自然の厳しさに水分補給が必須でした。100分以上はこの急坂を登ったでしょうか、手がロープで擦れて血が滲みます。
と、そんな時です。「ブゥゥゥゥゥン」と言う怖い音。山で一番恐れている奴がそばにやってきました。私は経験上じっとして奴が行き過ぎるのを待ちます。いつもならそのまま立ち去ってくれるのですが、今回はそうもいきませんね。私の回りを何度か回ったところであろうことか私の頭にとまったのです。これではたまりません、危険すぎるので私は手で払ったのです。さぁ大変、その行動に起こったやつは私をめがけてきます。私は身をかがめて相当の急坂を全力で登ります。幸い、背の高い草の生い茂った道無き道状態なのでその草にしゃがんで隠れながら全力で進みます。初めての山なのでどこがゴールかわかりません。とにかく全力で逃げます。すると空が開けてきました。


ようやくこの急坂を超えたみたいですね。奴もどうやらどこかに行ったみたいです。ほっと一息。ガスが出てあたりは見えません、それでも逃げ切れてよかった、と思った時、再び「ブゥゥゥゥゥン」やばい、また走ったのでした。もうくたくたです。


そんなこんなでなんとか頂上に到達することが出来ました。
それにしてもさすがに世界遺産、自然が織りなす現実風景に圧倒されてその深い静けさに飲み込まれそうになってしまいます。すごい!


スズメバチが怖いので帰りは「マテ山コース」を戻りましょう。こっちも初めてなので気を付けながら下ります。


分岐点が見えてきました。あとほんの少しでゴールですね。
秋口、涼しくなってからまた来てみたいですね、スズメバチ対策をしっかりとしてから。