2011年5月

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うららかな休日

ふと、デーリー東北に目を通すと濃淡それぞれのピンク色に彩られた一枚の写真。
なにかと凝視。
それは、七戸町にある天王神社の「山ツツジ」の写真ではありませんか。しかも物凄い数が咲き乱れた、言わば、春真っ盛り中。

そしてまた、ふと、顔を上げてテレビに目をやると、東郷青児の「婦人像」の絵画が画面を占拠している。
私の好きな画家だ。幼い頃、そう、確か小学校の高学年あたり、祖母の家の大黒柱に掛けられていたカレンダーにあった面影、その妖艶な姿にちょっと足りなかった私は一目惚れしたものだ。
そしてなんとこの絵画も七戸町の「鷹山宇一記念美術館」にて展示中との画期的であり衝撃的展開。

・・・行かねば・・・・。

私はパタパタとバイクに跨がり、颯爽と温暖な空気を切りさき一筋の風となったのであります。


すごい・・・綺麗だ・・・表現力の乏しい私にはそれしか言葉がない。
無骨な鳥居と可憐な花とオレンジなおじさんとのコラボレーション・・すばらしい!


ちょっと引いた全体の風景。
映画「アオグラ」の舞台となったこの天王神社は、この季節、今が一番華やかな時なのでしょうね。
ここにこんだけの人が集うのを初めて見た様な気がします。


そしてここ「鷹山宇一記念美術館」で行なわれている「パレットと絵画展」へ。

全てが素晴らし過ぎた。画家っていったい何者なのだろう?と思う。
どうすれば数種の色と筆だけであんなにもリアルで幻想的で過去や未来が行き交う奥深い世界を描けるのだろう?不思議でしょうがない。
幼い頃にカレンダーでその姿を目に焼きつけてから数十年、本物の東郷青児「婦人像」を目の当りにした私は、しばらくの間その佇む婦人の前から身体を動かす事は出来なかったのであります。
そして超感動!

咲き乱れる花々に素晴らしい絵画達、久し振りに芸術的境地に身をゆだねた天気の良い1日でありました。
ちなみに、東郷青児の絵を一枚、と思い、調べてみると、私なんぞの手の届くお値段ではございませんので・・・ありました。
ハナミズキの幼木を昨年の今頃植えたのですが、日射しも暖かくなってきてやっとのことで葉がちらほらと姿を表し始めました。
無事にこの厳しい冬を乗り越える事が出来たのかどうかちょっと心配だったので、これには少しほっとしているところです。


そして今年は、この「山ボウシ」を植えてみました。
高さは3メートル程で3本にわかれた幹が小さな林を連想させます。
幹の太さも直径5センチ程の幼木で未だ頼り無い姿ではありますが、なんとか立派に成長してほしいと願っています。


先月から東京暮しを始めたA2C一家の双子の兄弟も元気にすくすくと育っていると、先程メールが入っておりました。良かった良かった。
そにうち、この山ボウシの高さをぬくくらいにまで成長して、屋根に飛んだバトミントンの羽をひょいっとさりげなく取ってくれるとうれしいですね。
(そう言えば最近バトミントンやってるのってみなくなった・・・)

食費がこれからがんがんかかるだろうから、がんばるんだぞ、A2C ,SARASA!
空の青さもいちだんと濃さをましつつある今日この頃。
その温暖な陽気に誘われ、そろそろ気分転換も兼ねてバイクで出掛けてみようと思いたち、早朝から八甲田方面へと向った行き当たりばったりの私なのでありました。
幹線道路沿いところどころに高くそびえ立つ寒暖計のデジタル温度表示は18℃、なかなか快適な気温でまったく寒さを感じる事もなくビュンビュンビュン・・・・・。
ひとけりふたけり前へ前へ進もうとふんばるエンジン音が心地よい。

こちらに向うたびによらせてもらうラーメン屋で並盛りを一杯、空の胃に流し込む。

「さあっ、腹もいっぱいになったしさらりと山でも越えるか・・」

軽いウインドブレーカーをハタハタとはためかせては再び路上の人となる。



私は完全に舐めておりました。
ここが本州最北端であることをどうやらすっかりと忘れ去っていた様です。
ただ、ひとつの救いとしては肝心の道路に雪が残ってはいなかった、と言う事です。



下山路も立派な雪の壁がそびえていますね。
非情にも私に向って来る突風は冷気をたっぷりと含んだままに体当たりして来る始末。
薄手のウインドブレーカー一枚ではまだまだ私のひ弱な心臓には良く無いようです。

身体も冷え込んだので、途中温泉でも、なーんてとんまな事が脳裏を過ったのですが、車ならともかく、バイクではな・・・と、正常な考えを持てるまでに脳が回復しだして、なんとか無事に下山する事に成功できた、スニーカーの足元の感覚が麻痺してしまっている私なのでありました。
移転して1ヵ月が過ぎ、今年もまたゴールデンウイークを向かえる暖かい季節がやってきました。
驚いた事に今回各地から帰省された方々も、店の移転情報をキャッチしてもらっている様子で、この新店の方へと足を運んでくれておりました。
本当にありがとうございます。
何ぶん新転地ではまだまだ新参者ですので、見知ったお客様の来店は心強いかぎりです。
商品の方もすでに遅滞なく入荷するようになり、流通状態も通常にもどりつつある、と言ったところでしょうか。

それにしても本日は暖かい。
寒暖計を覗いてみると、なんと『24℃』。
Tシャツでもいける。

このまますんなりと初夏へと突入してほしいとせつに願う、そろそろジョギングを始めた私なのでありました。



店の前の花壇では、かの有名なチューリップが可憐な花を咲かせておりました。