2011年9月

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国の重要有形文化財に指定されている建築物が市内中心街にある。
古くからの酒蔵の建屋だったのだが、内外装をドレスアップ、日本料理店として営業している。
以前から気にはなってはいたのだが、なかなか機会が無くここに足を踏み入れる事は無かった。
しかし、ひょんな事から、その代表者が昔からの知り合いである事が判明、敷居の高かったその大正ロマン的出立ちをいとも簡単にくぐり抜けて、その興味しんしんな店内への潜入に成功したのであります。

本日はカミさんの誕生日でありまして、また、愛犬ダイの命日でもあります。
これは運命と言っても過言ではない、強い絆を感じてなりませんね。


ダイには好物のカットスイカを持参してきました。
奴はこれが大好きで、シャキシャキゴックンとうまそうに食します。次から次から食します。
私もひとつ、と、私の口にひとかけ運ぼうとすると奴は私を睨みます。そこで私は泣く泣くダイにそれもやります。
シャキシャキとそれもまたうまそうに平らげます。
うん、じつにイイ笑顔です。

今回はおとなしく身内だけのパーティーとなりましたが、これもまた良し。ゆっくりと手のこんだ数々の料理とお酒を楽しむ事が出来ました。
そして、それらを堪能するあまり、すっかりと写真を撮る事を忘れておりました、ナッハッハッであります、ひとつをのぞいては、


そしてそれがこれ、ゆいいつ忘れないで撮った、天高くそびえ立つ天麩羅盛り合わせ追加記念写真であります。
あくまでサクッサク、プリップリであります。
それにしても出て来る料理はどれもこれもうまい、内外装といい料理といい大したものです。
男前料理長、ありがとうございました。ぜひまたお伺いしたいと思います。


はーっと、驚嘆のため息が出る程、実に美しい店です。

デジカメの不良化と雨に煙る夏の終わり、私はふらり「ラウラ」三浦氏の個展へと出掛けて来ました。



雨のせいか?カメラのせいか?と言われればもちろん年老いたメラのせいでありまして、せっかくのワンダフルで牧歌な叙情的景色が幻想的な魔法の世界のように映ってしまいました。
まあ、それはそれで良いかなっと。


個展の行なわれているギャラリーも「幻想霧」立ち篭める様相に、あくまでもカメラ、カメラのせいであります。
とは言っても一度は確かめるべき?いやいや、映っているのかいないのかそんな小さな現実を確かめないところが私のいい所でもあります。


この、玄関先のちょっとした静なるたたずまいが、このギャラリーでの私の一番好きな空間であります。


著名なヘア-アーティストのK氏もここを訪れておりまして、ちょうど皆さんと歓談中、この後、私のようなヒッコリーパンツのおっさんとも気軽に会話をしてくれたのでありました、ありがとうございました。







作品もたっぷりと手のこんだすばらしいものがたくさんありました。
私の年老いたカメラがもう少し気がきいていればまだまだこの場でたくさんの作品を紹介出来たのですが・・・残念でなりまぜん。
個展の方は終了してしまいましたが、ここはショップとしての機能も満載、やっていればオープンしているでしょう。
ぜひ電話をしてみてから出掛けてみてはいかがでしょう。きっとあなたの生活に潤いをもたらす「もの」がまっていてくれる事でしょう。
ちなみに私は、かみさんには内緒ですが、ひとつだけ買わせてもらいました。
どれを買ったかはとてもじゃないが言えませんけどね、悪しからず。

先日、一年毎にやって来る恒例の、生まれて初めての節目をまたまた迎え、皆さんに祝ってもらった次第であります。



濃霧のなか、方向を見失ってしまった不安一杯の小さな船が、やっとのことで見つけだした遥か彼方に浮ぶ灯台のあかり、そんな歓喜の感情を揺さぶる優しいオレンジ色のキャンドルの炎が、まるで宝石箱をひっくり返した様にちりばめられたカラフルなフルーツの山脈をそっと照らす。
遠くに望む冬のマッキンリーの頂上かと見誤る断崖絶壁にはあまーい生クリームがたっぷり。
実にうまそうだ。
まるで満月と確かに数字の様なものが中央部分に突き刺さっておりますが、明らかに私の年ではなく、また、そのキャンドルの数も6本と明らかに現在の私とは懸け離れておりますが、このパーティーは明らかに私のパーティーなのでありました。



「いやっ・・・これ取れねーな、うーーーん、ひっぱっても、くそーっ」

このパーティーの席、私の向側には是川の中年ハリ-ポッター岩SOURが座り、なにやら得体の知れない物体を懸命に押したり引っ張ったり、それを興味ありそうでなさそうに覗き込む、まるで手前のワインボトルのコルクキャップと化したMKK。

「この前僕火星に行って来たんすよ。」
唐突にキュウティクル的天使の輪を輝かせながら岩SOURが言った。

「はっ、火星って・・・なにしに行ったんだよ・・・そんな遠くまで」
しこたまワインを飲まされ、目の前の物体全てがふたつに重なって見えている私は適当に質問してみた。

「何しにって親戚ん家に決まってんじゃないすか、姪っこが結婚したんすよ。そん時はポン酒飲んだ飲んだ、キリッと辛口純米酒・岩沢酒店。・・・そん時に火星のおじさんからこれもらったんだよね、これ。なんか、地球が何らかの危機的状況におちいったら使えって言われたんだけど、どうやって使うのか説明書はいってねーかなーとおもってさ。うーーーーんこりゃ」

「・・・・・・・・・・・、そこまで飲んでくれてありがとう、うれしいよ」

こうして楽しい夜はだんだんと更けたのでありました。


「もう行くの、たった今来たばかりじゃないか」
ふいに子馬が言った。
「うん、みんなの元気な顔も見れたしそろそろ帰るよ、日帰りだからね」
私は軽い笑顔でそう答えた。
「そうか、そうだよね、今から帰っても3時間はかかるもんね。仕方ないか」
子馬はひとくち芝をはんでから残念そうにそう言った。
「また近い内にくるよ、熱湯にやられたみんなを連れて、みんなも元気で、それじゃあ、また!」

彼等に別れを告げた私はそのエリアゲートを抜け、市街地へ向う路線へとバイクを走らせた。温暖な海風と潮騒が心地良い。
小さな商店街を抜けたあたりにその店はあった。

海峡食堂って、映画にでも出てきそうなネーミングではありませんか。何となくその雰囲気に引かれたのと、ちょうどお腹も空いてきたところだったし、私は入ってみる事にしたのでした。

テーブル席に着くと眼下に大海原がひろがり、前席の親子が海鮮丼を上品にぱくついているのが見えた。どうやら納得の味らしい。
ちなみに、向って左側の窓のまん中あたりにポツンとある黒い点の様なものは大きな蜘蛛で、こちらもこの時捕まえた虫をうまそうにぱくついておりました。
メニューをざっと見回した私は、海鮮かき揚げソバを注文。このロケーションで刺身系は絶対うまいはずなのは解りますがあえてソバをチョイスしたのです。
待つ事10分くらい。

なんとも上品なこしらえ。
ソバの上に、みだらなかき揚げがどかんと乗って来るものだとばかり思っていた下品な私にとって、これは衝撃的な品の良さでありました、しかも2個。
そしてこれがまた海鮮ぎっしりサックサクでうまいのなんのってこんちくしょう。
旨味の濃厚スープに腰のしっかりとしたプリップリソバが歯応え満点パパ。
そのまた旨味スープをすったかき揚げがなんともデリーシャス&ワンダーフル。
これ、間違い無くう・ま・い!
あっと言う間に完食、もう一杯行けそう。
旅での食事、大当たりはそうそう無いけど、今回はグッドでございました。

帰り道。
峠から原発がちらりと目に入りました。
事故が無い事を、祈るばかりです。