2012年3月

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そろそろ4月、今年の初旬あたりからスキーにはまってはや数カ月、早いものです。
このあたりのスキー場も3月の中旬にはスノーコンディションの悪化によるオフがあたりまえ。
それでも最後にどうしてもひと滑りしたいと思い立ち、ネットで奥中山スキー場の休場及びゲレンデ状況をチェック。するとどうでしょう、今年は例年に比べて雪の量が多いので、3月いっぱいは営業するとの記載。
それはそれはラッキーのひと言であります。いつもなら18日の日曜日で終了なのだが、ですよ。こんなことは滅多にあるものではありません。
いつもはついていないのが当たり前の私の人生にも、パァッと明りが灯った感じでありました。
私の3月最終休日・ピーカン。
スキーやらストックやらウエアーやらを車に詰め込み、私は颯爽と出かけて行ったのであります。
ギンギンガンガン、飛ばすぜハイウェイ・・・(おっ懐かしい永ちゃんのフレーズが)
そして無事到着。

「やってない?????の」
えーーーリフト止まってるし、いったいぜんたいどうなっているの?3月末までやってるって言ってたのに。
私はヒュッテに向かい、そしてガランと静まり返った誰もいないロビーへと足を踏み入れたのです。
すると奥のレストラン側から女性スタッフがひとり
「すいません、あれ、今日はやってないんですか、ネットではやってるって」
「あっあっちょっと聞いてきます」
何もしらないのでしょうか、現にやってはいないし、仮に彼女が上司に聞きに行ったところで、私のために私だけのためにリフトを動かしてくれるわけなどありゃしないだろうし。
瞬時にそうさっした私は言ったのです。
「いやいや、いいですよ聞きに行かなくっても、」
「そうですか、それじゃあ」
そう言うとそそくさと彼女はどこかへときえていってしまったのでありました。
再び静まり返ったロビー。
私は帰る事にしました。
いいのです、ついていないのがあたりまえなのですから。ある意味ついていないのもこれがまた、ギャグみたいでおもしろいものなのです。

車に乗って八戸に向かう途中、とんでもない雪が降りだしたのです。いままでこんなに強くふったことないだろうぐらいの大雪。いやはやここまで試練がくるかーの超越ギャグ。これもまた、なんかおもしろい。
結局今年のスキーは先々週でおしまいです、多分、多分ですが、もし今回スキー場がやっていて、私がそのまま滑っていれば、大きな怪我をしていたかもしれませんね。
良かったのです、そしてまた、このまま帰途についていなければこの大雪で簡単には八戸には帰れなかったかもしれません。なーんて思ってみました。

八戸に到着すると空は真っ青、なんのことはない出たときと同じピーカンでありました。エヘッ!
カービングスキーの存在すら皆目知らずに、かなり振りにスキーを始めてはや数週間、鼻たらしの幼少の時代に味わったワクワク感がたっぷりとよみがえり、どっぷりとつかっております。
そして徐々にロングなコースを求めて、ついにやってきたのが奥中山スキー場であります。

「おおーっ、あれはなかなかのおおきさだ、そしてまた美しいスキー場ではないか」
はやる心を抑えつつ、私は慎重にその山のふもとへと車を滑らせたのであります。

大きいスキー場だけあって、やはり来場客もかなり多く、活気に満溢れております。
早々と私は新調したばかりの黄色いチェックのスキーウエアーに身を包み、その山の上を目指したのであります。

しかしこれがまた急展開な天候不良。山の天気は変わりやすいとは言いますが「変わりすぎでしょ」といった 具合。

ほぼ視界ゼロ。
それでも私は、果敢にもこの悪天候の奥中を攻めたのであります。4回目のリフトではてっぺんまで登ってしまい、谷底を覗いて見ては「これはやばいでしょ」と、ややひるんだものの、そのあたりにたむろっていた人々にはそんな心の動揺はおくびにも出さず、さりげなくレッツゴー!
ふもとに着くまでに3度程急斜面を縦に転げ落ち、雪だるまになりながらのニコニコナイスライディング。
あちらこちらを雪上に強打しながらも、尚、果敢にその急斜面に挑み続けたのであります。
7本目だったでしょうか、ふと我に返った私はあることに気付きました。
そうです、すでに持ちえる体力の限界を超えていることを。
息はキレギレ、モモはパンパンにハレハレ、酸欠で頭はガンガン、大人げなく夢中になりすぎてしまいました。

そんな事態を自覚してしまったものだから、なおさら視界がふらふらになりつつも「もう一回だけ」と無情に動き続けるリフトにライドオン。
するとどうでしょう、少しだけですが太陽が顔を出してくれたのであります。

あまりにも張りきり過ぎて疲れ過ぎて、帰りの車中茫然自失状態。
それでもなんだか、やはり、おもしろい。
「体力が回復したらきっとまた来よう」なーんて思った、すでに体内を乳酸に支配されつつある私でありました。
毎年恒例の3月のどか雪が降ってから一週間、やっと道路にもアスファルトが姿を見せ始めてきました。
やっぱりどうしても一度は来るんですね、このどか雪。
5月に開催予定の「うみねこマラソン」にエントリー済みの私にとっては大事な練習期間のこの時期、毎朝のジョギングにはゴム長をはいて奮闘しておりましたが、なんとかスニーカーでできるようになり一安心といったところです。
本日も気温7℃となかなかのジョギング日和、それでもやはりしっかりと着込んでのレッツゴー!
山越え谷越え(いったいどんなところを走っているのだ?)スタスタと軽やかにこの春の兆しを感じながら走っていると、なにやら違和感を感じる物体を発見。
やや自身の進む方向を10度程左に傾けてその違和感のある物体に近づいたのであります。
それは「カニ」でありました。



まるで「カニツメ」ではありませんか。
かなりの雪が積っていただろうこのあたりにも春の息吹が温暖という恩恵をもたらした証ですね。それにしてもリアルな、まるで生きているかのように相手を威嚇している形に見えてなりません。
当然のようにカメラなど持参しているわけもなく、私はこの奇妙なショットをゲットするために、いつもの2倍のスピードで家までの数キロを突っ走ったという訳であります。
そうです、この「カニツメ」のおかげでかなりのハード的練習になったのでありました。ゼーゼーぜー!

北国の住民にとっての明るい春は、どうやらすぐそこあるようですね。
早いもので、あの大きな震災から一年が経ちます。
やらなければいけないたくさんの事が凝縮して目の前にばらまかれでしまい、私達としてはひとつひとつそれらを整理していかなくてはなりませんでしたが、みなさんの協力のもと、こうしてなんとか営業を続けることができていることに大変感謝致してしております。
本当にありがとうございます。



八戸は復興に向けて湾岸地域も日々懸命に頑張っております。



この穏やかな岩場の風景がずっと続いてくれることを祈りながらこの日を過ごしたいと思っております。
そしてまた、あの大きな大地の揺れが二度と起こらないでほしいと、願いつつ・・・。
忘れられた記憶の中に絶対存在していたであろうその情景をひととおりながめたおし、自身をこの柔和な空気感にならしながら、そしていよいよ時代を超越したこのアーケード内へと生まれながらにして短い足を踏み入れたのであります。
(どっこいしょ!)



歴史を刻んできたパーツを組み入れ、ひと肌の温もりを感じる手作り感満載のショップの輪郭。

店内、カウンターあたりを一枚撮らせて頂きました。
モダン昭和ともいえるこのユーロな感覚は、ひとえにこれまで培ってきたセンスのなせる技ですね。
すばらしいの一言に尽きます。
その古き良き商品群を眺め、出張中とあって乏しい私の財布の中身を思い浮かべながら、これなら買えるかもしれないと思った本一冊を手にとりました。裏をのぞくとプライスが、うん、これならかえる。

「Porter Classic」は「PAWN SHOP」のとなりにありました。
素材に、そしてメイドインジャパンこだわった誠実な洋服がずらり、次世代につながるショップ
のひとつといえるでしょう。
帰りの新幹線の時間が近づいていた私はそろそろと、店を後にしたのですが、また近い内時間に余裕をもって再び訪ねてみたいと思っております。


「それいゆ NO18」1951年 日本初の、女性のためのライフスタイルブックなのです。
駅弁のランクを抑えてなんとか「PAWN SHOP」で買えた一冊です。
表紙の女性の清楚な表情といい、洋服の着こなしからデザイナー家具の選び方、また豊かな生活スタイルまでもとらえた内容といい、今見てもなんの遜色もない、なかなかおしゃれな本になってます。
次回、違う号もみてみたい、そんな思いがつのる今日この頃であります。