2010年5月

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ここのところ展示会出張が続く。
これから日を追うごとに暑さが増して来るというこの時季、私達はふっかふか、ほっかほかの冬物の洋服を吟味している。
さて、今年の寒さにはどんな洋服が私達を包み込んでくれるのだろうか、って・・・暑い・・・限り無く暑い・・・暑すぎる!

えっ~~~~30℃・・・・・軽いめまいが・・・・・・!

この太陽サンサンの火曜日、私は「稲村ヶ崎」へと向っておりました。
私の出張において神奈川県の湘南地区へと赴いた事は初。
と言うのも、代官山にあった事務所を引払い、風光明美な「稲村ヶ崎」へと移りすんだメーカーさんがいるのです。
もちろんそのたくさんあるだろう個人的趣味のなかにはサーフィンがはいっている事は疑いようはありませんね。先駆的行動力がうかがえます。
どんな所なのだろう~私としては興味津々であり、仕事の出張でこんなにワクワクした事なんて滅多にあるものではありません。

「湘南新宿ライン」に揺られる事50分

人生初の「鎌倉」、そして凛々しい人力車のある風景。
なんなのだろうこの奥ゆかしくも都会的な雰囲気。派手さを押さえた文化的な空気感。
新鮮な感覚に包まれてしばし呆然。
「あっ乗換えだ!」
思い起こしすぐさま「江ノ電」へと向った。

人生初の「江ノ電」
うわぁ~あれが時たまテレビで目にする「江ノ電」か~でもローカル的な暗さはない。
あ~なんだか新型のモノレールみたいに洗練された雰囲気が漂?いる。
それにしても混み混みではありませんか。

ガタンゴトンと電車は駅舎を滑り出した。
これはいい、かなりいい、すこぶるいい、これで仕事に通いたいものだとまで思った。
電車は密接する家々の微かな隙間を縫うように走る。民家の二階の窓からハイタッチが出来そうな勢いだ。
速度はのどか、なんだかホッとする電車だ。

おお~次だ、どうやらあの先に見える大岩をこえると目的地のようだ。

人生初の「稲村ケ崎」
稲村ジェーンだ(感激)。
彼等がここに引っ越して来なければ、多分、私は一生ここには来なかったかもしれない、そう思うと胸が熱くなった。
事務所はここから目と鼻の先であった。

威風堂々たる一軒家、玄関を入ると大きなリビング兼事務室が広がる。
数年ぶりに友人宅を訪れたような不思議な錯覚に落ち入る。
そしてその先にある大きな窓の先には茫漠たる大平洋が・・・・・。

サーファーにとっての楽園ではないか。
80年代の記憶、どこからかあの若い頃のサザンの歌声が聞こえてきそうな情景。
この家のここからの眺めはおそらく当時となんの変りもない事だろう。
そんな懐かしさすら感じるこの窓からの反射に私の心は瞬時にそれへとタイムスリップしていた。

いい住処を見つけたものだ。
何かを切り捨てる事によって本来の何かを得たのかもしれない。

時間を作ってまた行きます。


ゆっくりと目覚めた次の日。
来年の「うみねこマラソン」はなんとかハーフを走ってみたい、などと無謀な事を画策している昨今、相変わらずのジョギングへと向った。
今日は日がな一日庭の木でもいじりながらのんびりと過そうと考えていたのだが、走るにつれ、汗が額から吹き出すにつれ、全身の細胞が覚醒するにつれ、「またやつの重鼓動を、あの底しれぬ生命の息吹きにも似たフィーリングを味わいたい」などと軽い欲望が沸き出した。

午前11時、太陽の光が威力を増し始めた頃、やはり、私はやつのエンジンに火を入れたのであります。
ドッドッドッドッド~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!

国道45号線を南方と走行。そうこう・しているうちに久慈市へと到着。



「Cafe Rockets」

ここは6年前に知り合った友人夫婦が営むカフェ(カフェ・ロケッツ)。
ちょうど久慈駅の真ん前といった絶好のロケーション。
彼等は長い間ニューヨークに住んでいたのだが、一念発起、故郷であるこの地に戻って来てこのカフェを開いた。
ちょうどそのあたりに初めて私達は会話を交わし、そして交流をもつようになった。
あれからすでに5、6年が経過するのか、時間の流れは本当に速いものだ。



店内カウンター回り。
マンハッタンの雑踏の中に極普通に点在するこじんまりとしたカフェを連想させる佇まい。
明るいうちからバーボンをショットで頂きますか、って感じ。

私はと言えば、またまた本日も、ランチをオーダーしたのであります。
「じゃあ、ポークカレーをお願いします」、って昨日と同じだろ!
(ポークカレーはたまたまこちらでも限定お薦めメニューだったのであります)



それにしても「どんだけカレーが好きなんじゃっ」と言ったところですね。
一般庶民階級に属する私にとって、「カレーライス」「ラーメン」「ハンバーグ」は切っても切り離す事の出来ないソールフードであります。
ただ、若干お金に余裕があれば、やはり頂点に君臨する「サーロインステーキ」は外せませんけどね。
ここ最近はすっかりと御無沙汰ではありますが・・・・・。
今度長野の松本へ行ったら「グッド小林」に極上のアルプス牛でもおごってもらおう。



記念に御夫婦でパシャリ!

「スイート&リッチなカレーを御馳走様でした。そしてまた時間が出来たら伺いますね。どうぞ日々お元気でお過ごし下さい。あっそうそう、そのハンチングのリフォームするとこ、今度紹介しますね。それじゃぁまた!」

私は再び相棒に火を入れ路上のひととなった。

ドッドッドッドッド~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!


心地よく風を切り裂くこいつとはどうやら永い付き合いになりそうだ!

遅ればせながら、春が来た!
5月の半ばを向かえて、やっとの事で温暖な日々がやって来た。
しかも滅多には貰えない2日間の連休という私にとってはロングバケーション的休日を向かえており、その太陽燦々日和がそれに乗っかるというナイスマッチング。
世界が認める雨男の私にとっては「奇跡」としか言い様が無い。

その奇跡の日、私は早朝4時に目覚めたのです。
老人化して太陽が登るのを五感がキャッチし、そして自然と目が覚めたという訳では決して無い。
ちゃんと目覚まし時計をセットしておいた事実だけは記しておこうかな。
ただ、この薄紫の時間はやはり速過ぎた。
太陽がしっかりと登るのをまったりと待ち続け、それから日課であるジョギングへと取り合えず出掛けたのであります。
気温はぐんぐんと急上昇、天気予報通りに大空はピーピーカンカンに。

そして私は、今年4月、あらたに加わった相棒のシートへと跨がったのであります。

バリバリバリバリバリバリ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!



ナイスな爆音とナイスな重鼓動を五感いっぱいに感じながら、お約束どおりの「十和田湖」へ。なぜだかここに向ってしまうのです。
前世は乙女の銅像を慕う一介の姫マスだったのかもしれない。
そんなこんなでこちらも心地よい春風が湖面を伝いながらあたり一面へと吹き渡っておりました。
コバルトブルーの湖面は陽光を受けてキラキラと眩しい程です。

今回は、以前単独で歩いた事もあるこの十和田湖周遊50キロをゆったりと一周!
高台には依然として高さ2メートル程の雪の壁が「まだまだっ」と元気で頑張っておりました。



帰りの奥入瀬、木漏れ日が路面に溢れんばかりにちりばめられておりました。
いやはや美し過ぎる。そうか、そう言う事か、それだから月曜日だというのにかなりの観光客の方々がいたのか。納得!



途中、腹のすいた私は古くからあるドライブイン「たんぼのちゃや」へと一休み。



そして「ポークカレー」を注文したのであります。
本日、午前4時に目覚めた私は、考えてみればあれから何も口にしてはいなく、貪るようにそれを腹の中へと流し込んだのであります。
「ふ~生き返った!」
食後、マスターとひと言ふた言バイク談義を交わし、うわさに聞いている「八戸直行の信号のない農道」を聞き出す事に成功。
お腹もいっぱいになった私はマスターに「御馳走様」と一言残し、再び相棒へと跨がったのです。
そしてその「農道」へと進路を向けたのであります。

「農道」は最高だった。
行き交う車はサムタイム、信号なんてありゃしない、ゆったりとのんびりと豊かな自然の真只中をひた走る。
あるのはただ真直ぐに伸びた道と光を含んだ風・・・。
ここは再び通ってみたい道となった。

さて明日はどうしようかな・・・・。

第29回八戸うみねこマラソン全国大会が去る5月9日(日)に開催された。
晴天に恵まれ、5800人という制限人数を800人も上回る大人数が集まった。
昨年よりも1000人多い計算になる。

昨年は5キロに初参戦し気持ちの良い汗をかかせてもらった私なのですが、今年はな、な、なんと10キロに挑戦したのであります。
たかだか倍の距離だろうとこの時点では完全になめておりました。
昨年一緒に出場したJINは、膝が痛いだの脳がゆれるだのちょっとした計算が出来ないだのと御託を並べ、今回は断念。
満を持して今回参戦したのは、ここ鳥屋部町では知らない人は知らない岩SUORであります。


9:00 そして大会は始った。
今年のゲストは、99年、世界選手権セビリア大会で銀メダルを獲得した市橋有里さん。
ランニングウェア-のスタイリングといい、おしゃれなヘア-スタイルといい、なかなかキュートな女性アスリートではありませんか。
接点は見出せませんが、彼女の笑顔の為にも私は頑張らなくてはいけません。


なぜか北村弁護士似の甲冑おじさん参上!




少年少女達の笑顔はいつでもどこでも最高に輝いていますね。

「みんな、あの大きな太陽に向ってがんばるんだぞ!」
「おっちゃん・お前もがんばれよ!」
「はい、了解です!」


さぁッいよいよスタートです。
岩SOURは余裕の表情ですね。さすが八戸商業高校陸上部出身ビールっ腹。

そして号砲と共に熱気沸き立つ群衆の渦の中へとスタートをきったのであります。

(約一時間程経過)


やつが、とうとう岩SOURが、軽快な走りで帰ってまいりました。

おおっ、ゴールを目指す激しいまでのその真直ぐな眼差し。
いままで、かつて、決して目にした事のないひた向きな表情。まるで何か得体のしれない者に取り付かれたような戦慄さえ覚えるそのキョンシー的様相。
「もう少しだ、つっ走れ~~~~~!」

この勇猛果敢な岩SOURの後に続いて、何とか私も無事ゴールする事に成功。
私としては、いつものジョギングで走っているペースの2倍もあるスピードでのランに四苦八苦。
心臓も肺も、まだか、まだ着かね~のか、ともがき苦しんでおりました。
その10キロという距離の長い事長い事、いつまでたっても先が掴みきれない始末。
それでもなんとか気力をふり絞って必死のゴール、最高にほっとした瞬間でした。
そして、生きて帰れて良かった良かった、といったところです。

「さて、来年はハーフでも挑戦してみますか!」なんちゃって。(性懲りも無く)


応援に来て下さった大野家の皆様、おかげさまで力強く走りきる事が出来ました。ありがとうございます。
そして打ち上げホームパーティーでは心温まる数々の手料理を振る舞って頂き大変感謝しております。
(すかさずビールに手が伸びてしまい写真を撮る事をすっかり忘れておりました)
あのタラッポの天麩羅はおそらく日本一だと私は確信しております。

来年は、サバンナ生まれで驚異の視力3.0のJINも復帰し→
視力0.1の岩SOUR共々またまた頑張る所存であります!
(ちなみに私の視力は1.5になります。)