2011年6月

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最近、最近とはいってもここ3カ月になる。
わが家の景色盆栽の小スペースに2匹の小さなアリが住み着いている。


このオレンジの台をベースにしていて、ここからは出る事はないのです。
ただ、天気の良い日は早朝からこれらの小さな鉢を全部ベランダに出すのですが、その時どれかの鉢にたまたま付いていればそのままそのベランダに一緒に出る事となり、あたりの散策に歩み出るのです。


今回は写真中央にポツンと一匹だけ歩き回っています。こうして大きなスペースをあちらこちらと動き回り約3時間、私が元の台に戻す頃にはしっかりとどれかの鉢にしがみついていて、ちゃんと元の場所に戻ります。


そうです、もう一匹は今回鉢に付いていなくてこっちのオレンジ台に取り残されてしまっていたのです。
いなくなった鉢を捜しまわりぐるぐると散策中。しかし、絶対に下にある収納棚の方には下りないのです。
なぜここを離れないのかまったく不明。

この2匹、いったいここまで何を食って生きているのでしょうか?そしてまた、いつまでこのせまいスペースで生活して行くのでしょうか?
無知な私には全く理解が出来ません。こんな時は・・・・・。
あっそうだ、岩SOURだ、岩SOURがいるではありませんか。
彼は高校時代、アリの研究において三八地区で名を馳せ、陸上部の顧問の先生からほめられた事があったはずだ。
アリだけにほんの小さな出来事ではあるが大いに参考になるかもしれない?
取り合えず、聞いてみるか!

創業103年。
このブログでも度々登場して頂いている「蕎麦処・おきな」。
その真心込めて生み出す蕎麦であり、指先を煮えたぎる油の中に突っ込んで華麗にひっくり返す職人技を駆使した天麩羅であり、永年注足した秘伝の蕎麦つゆであり、どれをとってもお客の心を鷲掴みにするうまさ。
私のお気に入りは「天ざる」であります。
これがまたう・ま・いのなんのって、こんちくしょう!
おおっといけない、食いたくなって思わず興奮してしまった、失礼。


「あれっ、しんちゃん、何、今日はどうしたの?そんな堅っくるしい顔して」
「どうしたのって、またまた、今度の日曜日俺のチョッパーで来るってこの前言ったじゃんパチンコにも行かずに、えっ、まさか・・・忘れてたって事はないよね」
「またまた、そんな事ある訳ないでしょ、ナハナハ!」
私は軽く流しましたが、実はすっかりと忘れておりました。
それはあの名店「おきな」4代目のしんちゃん、。そう言えば、なんかそんな他愛無い事を言っていたよーないないよーな、みたいな健忘症の私。


玄関に出てみていやはや、それにしても不良なバイクではありませんか。
フロントフォークの長い事、それではUターンするのにサッカーグランド程の広さが必要ではありませんか。
しかも70年代風Vサイン、それにパーカーから突き出た腹部のこんもり具合が満点パパ。
自信に満ち溢れたその笑顔は、うまい蕎麦を打ち終わった後のドヤ顔と類似。


そのしんちゃん、さりげなくポケットから目薬を取り出し差し始めた。
「最近わかったんだけどさ、俺の目って3次元で見えて無いんだって、だから俺が普段目にしている物って全て2次元で見えてるみたい。そのせいかさ最近すごく疲れやすくってさ、こうして時々目薬を差さないとだめなんだよねー」

何を言っているのかよく解らない私だったが、つまり、世の中をマンガ本なんかの様に縦と横の平面で見てると言うことなのか?その平面てやつで見えている道路をバイクで突っ走る感覚っていったいどんなものなのだろうか、やっぱりよくわからない。


「ふっふっふっふーーーー、でも俺様はそんな事なんてなーんにも気にしてないぜ。
なぜなら2次元も3次元も俺様にとってはたいした違いじゃないんだよ、たかだか2か3のちょっとしたものさ。どおって事ないぜ。さあっそろそろ帰ってうまい蕎麦の準備でもしようかな」
「えっ今日って休みでしょ」
「あっそうだった、ハッハッハッハーーーーーーあっそうそう、明日フロントタイヤのホイールあとひと回り大きくするんだよ、エへッ換えたらまた来るね!」
なーんてお茶目な4代目でございました。これからもまたうまい蕎麦をよろしく!

後日私は、目に良いとおみやげ売り場のおばちゃんから聞いた様な聞か無い様な、にんにくせんべいなる物を持って「おきな」へと向ったのであります。
しかし、どう考えてみてもそれにそんな効果は無い様な気はしますが、まぁいっか。


前回の休日、あまりにも腑甲斐無い1日を過してしまい、真っ赤な夕日に慰められた始末、そこで一念発起。
今回は深酒を避けての早起きに成功&ピーカン!
朝から気温急上昇、体感温度は30℃アップ。
バイクを片手にメットに乗ってって、いやいや慌ててはいけない。カメラを片手にバイクに乗って無事にレッツラゴーと相成った訳であります。
目的地は新緑の十和田湖。
昨年の晩秋以来、久し振りであります。
私のロボヘッドは心地よい三拍子を刻みながら初夏の煌めく緑風を切ります。
そして難無く到着!


いやーこりゃまたいい景色ではありませんか。
やっぱり早起きはするものだ、ぜったい休日前夜は深酒してはいけない、と決心。
どれどれ、せっかくだから「乙女の像」でも見に言ってみるか。

あっ乙女のひとりがこっちに向って歩いて来るって、おいおい、人騒がせなおっちゃんだな。

気を取り直し、私は揺らぐ木陰の小道をゆっくりと散策、やっぱりいいところだ。

んーん、乙女も元気そーでよかったよかった。
それにしてもさっきのおっちゃん、少しダイエットしないと成人病になっちゃうぞ。
特に膨れ上ったあの腹がきびしいな、気をつけないと、と、私自身に言い聞かせたところもある。
お約束のラーメンを探して飲食店街をぶらぶら、本筋ではない、ちょっと小道に入った所の雰囲気のある小さな食堂にイン。

この景色、この爽やかな空気感、この年季の入った雰囲気、いい味だ。
と、隣の年配の御夫婦の席に目をやると、てんこ盛りの姫竹の天麩羅がどかり。
これがまたうまそうだ。
次回、絶対これを注文しようと思った素朴な私なのでありました。
朝目覚めると、見事に頭が痛い。
枕元の時計に目をやるとすでに午前9時を回っている。
うわぁーやっちまった。
数年前からジョギングの為に午前6時前には起きるようにしている私だったが、どうやら今朝は寝過ごしてしまったようだ。
それと言うのも、休日の前と言う事で、昨夜はいつも以上にビールを飲んでしまったせいだ。
近ごろは早起きしないともったいないように思えて仕方が無い。すでに9時でも、このまま二度寝しては増々もったいないと、私は重い頭をふりふり起き上がる。
そしてそのまま日の高くなってしまった世間を走りだした。

しかし・・・・・頭が痛い。
地面にかかとがぶつかるたびにズギンズギンと脳天に響く。
とてもじゃ無いが走っていて気持が悪くなって来た。それでも、決めた距離を走り切ろうと賢明にそしてゆっくりと走った。
数十分、なんとか走り切ったがかえって健康に悪そうだ。。

ヨタヨタと振らつきながら自宅へと辿り着きシャワーを浴びた。
幾分落ち着いた。
次に何か腹に入れようと冷蔵庫を覗くとビールがあった。朝からビールはないだろうと隅の方をみたが今食いたい物はこの冷蔵庫の中には無かった。
この時なぜか脳裏をラーメンの映像が走った。
久慈にある「千草」のラーメン。早速私はバイクに跨がりその濃厚チキンスープラーメンを1年ぶりに目指したのであります。

スープまで完食。
うーん、来たかいがあった。さすがにうまい。
そしてそのまま再びバイクに跨がり帰途に着く。
天気予報では晴天、実際にもピーカン、なのになぜか・帰りは土砂降り、どーゆー事?
フロントフェンダーないから汚水シャワー全開で目が痛い&超寒!
それでも必死にハンドルを握ってアクセル全開。
自宅に着いた頃には結膜炎と低体温で再び頭痛がズキンズキン。

またまた熱いシャワーを浴びて休日リセット願望。
しかし虚しく時間だけは過ぎ去って行く。

夕方だけでも充実したものにしなくてはいけない。
そこでスーパーに焼き鳥を買いにレッツゴー!
塩焼きを5本ゲットして車に乗り込んだ、しかしそんなに嬉しくはなかった。
はーっこんなんで大事な休日が終わってしまった、と、深いため息がひとつ。



ふと気が付くとあたりはきれいな夕景色ではありませんか。

「うーん、思えばそれなりにいい1日だったじゃないか、だんだん平和だし」

美しいトワイライトタイム、帰ってすぐにビールのプルタブを引き上げた、少しだけ前向きな私なのでありました。