レッツゴー・スキー!


翌週、準備万端整えた私はその山のふもとにあった。

あの日、自宅へと辿り着いてから一考、なんやかんやと遠回しに理由をつけては買い物交渉、そのねばり腰にて、ついに交渉成立、なんと数十年振りにスキーをゲットしたのであります。
なんか小学生の頃、初めてスキー板を買ってもらった時のワクワク感を彷彿とさせるムズムズ感が体の芯から湧いて来る。鼻息荒く、嬉しいものです。


(ロシニョール) 私がかつて、そう、小学生の頃に憧れた板であります。
当時はスキー部の、しかもうまい連中しか使ってはいなかった手の届かない雲の上の存在でありました。
あれから数十年、現在はセットで私でも手の届くクラスのやつが存在するではありませんか、早速そいつをゲットしたのであります。
そして、果たして私ごときは、日々練習していたあの幼かった頃のようにうまく滑る事ができるのでしょうか?
期待と不安が渦巻く妄想の世界のなかから、いざ出陣と相成った訳であります。


めざすはちょうどあの山のてっぺんであります。
まあ、その前にすこしだけ練習練習、中腹のなだらかなところで20分程ちょろちょろと滑ったり登ったりしながら感覚を慣らしたのではありますが・・・。


ついに、リフトに揺られてガタンゴトン、じりじりと山のてっぺんへと進みます。


うほーーっ、と声が出る程素晴らしい眺めではありませんか。

私は一気にこの白に輝くゲレンデをなめるように滑り降りたのであります。
なかなか体は覚えているようです、よろめきながらも難無く無事スタート地点まで帰還。
この後は何度も何度も華麗なシュプールを描きまくったのでありました。
めでたしめでたし!
まあ、誰も私の滑る姿を実際に見てはいないのでこんな安易で陳腐な表現で記しておきます。
今のところなんとでも書けますからね。

そして翌日、私の全身はびっくりする程硬直しておりました。久し振りの筋肉痛はやはり半端なものではありませんでした、ギシギシときしむ体をおしてまで、わたくし、仕事へと向ったのは言うまでもありません。(まじめか?)