取説はやっぱり無かったか




「ハ-ーーーーーーーーーイ、みんな元気!」

またまたあいつがやって来た。
朝っぱらから元気だ。
しかもカミが短くなっている、いつの間にかまたイメチェンか。
確か前回会った時は「ニューヨークじゃ今こんな床屋カットが流行ってるんだぜ」と言っては刈り上げクンみたいな頭をしていたのだが、今日はなんだか爽やかになっているではないか。
また、以前なくしたと言っていた「地球を救う道具の説明書」は見付かったのだろうか?
どっちにしろ、なんだか得体の知れない行動に、微妙な危険を感じるのは私だけか・・・・・。
「あっ、これはこれはお早うございます」
私は取り合えず当り障りの無い挨拶で流した。



「さあっ、どれどれ、もうひとっ走りしてこようかな。お前らもしっかりとがんばれよ地球の為に。」
大事なドラム缶の上で、奴はストレッチを始めた。


「この俺様には、明るい明日が未来が見えているのさ、そこに向ってちょっと行って来るよ、じゃあなみんな、また会おう!」

そう言うと、くるりと背を向け、元気に走り去ったのでありました。
石黒健に似てるなーって、ぼんやりと思った、寝起きは目が霞む私なのでありました。

「さあっ店開けよーっと!」