タフネスKは今


空高く澄んだ空気が寒冷前線と共にやってくる晩秋を迎えると、当然のごとく展示会出張の時期がまたまたやってくる。
9月後半から11月の前半くらいまでは毎週続くショートトリップとなる。
今回は中目黒のショールームでの商談が一件入っていたのと、そこでの商談が思いのほか早めに終了したので、この側で秘密基地を所有するある人物を訪ねてみようと思い立ったのだ。
わざわざ訪ねて行く訳だから手みやげのひとつでもと考え、私は駅なかでシュークリームを買ったのであるが・・・・この時、あまりにも私自身が腹ぺこであり、途中、やむなくパクり、私の胃の中に収まったのであります。
この事は無かった事にしておきましょう。


確か・・・このあたりのはずだが・・・。

ああっここだここだ!
ここがやつの、タフネスKの隠れ家に間違い無い!
私はそこにある特注であろう鉄製の重いトビラをおそるおそるあけたのであります。


ジャジャーーーーーン!
突然のやつの笑顔がそこに、私は思わず後ずさり、何も知らないだろうやつに向ってあやまったのであります。
「おおっすまんすまん、みやげのケーキ食っちゃったよ」って。
何のことやら皆見当もつかないやつは、そんな事はおかまいなしに、ガッハッハーとただただ笑っておりました。
相変わらず、であります。

彼の名は「Kazufumi Otaka」、「doll」のデザイナーであります。
洋服を作り始めてかれこれ数年が経過、いまやショールームを構える立派なメーカーとしての地位を確立しつつあります。

もちろん彼のデザインした洋服は店でもおかせてもらっているのですが、熱烈なファンの方々がいて、非凡な才能を垣間見る事ができます。
ただ、この軽い笑顔と間のあくジョークには品のかけらも無いのがたまにキズ、であります。

それにしても久し振りに会った様な気がします。元気でなによりです。
そしておっさんと化した私もなんだか元気をもらった様なもらわない様な不思議な浮遊感で胸がいっぱいであります。

また寄りますよ、頑張れ!タフネスK!・・・もし我慢出来たら、次回はケーキもっていけるでしょう!