睡魔は突然に

この日、早朝4時、目覚めた私。
なぜなら目覚まし時計をその時間にセットしておいたから・・・。

かなり前、そうロングロングタイムアゴー、私はなぜか「宅地建物取引き主任者」の資格を取得していたのです。
その頃はまだまだ鉛筆を倒して答えを導き出していたもので、「取り合えず」といった感覚で試験を受けた次第です。
この免許証も運転免許証と同じく、数年に一度といった形で更新の為の講習があるのです。
ただ、運転免許証とちょっとだけ違うのが、その講習時間の長さ。
それは朝の9時から夕方4時までといった過酷な長丁場なのです。

講習は青森市で行なう為、私は6時に八戸を出発。
この日はかなりの靄がかかっており、ライトが無ければとても危険な状態、私の頭の中も未だこんな深みの中であります。
午前8時30分
会場である「ホテル青森」に早めに到着。
この頃にはすっかりと晴れ上がり、大きな空はピーカンに。
こんな気持のいい日に「カンズメ」とは・・・・。

大きな会場には約250人が終結。

配られた参考書を開いた瞬間、善良な私を悪らつな睡魔が襲う。
お茶を飲んでも天井を見あげても、ましてや大きな会場を見渡してみてもなんのその、まぶたに限り無い重力がのしかかる。
必死でまぶたを持ち上げようと試みても非力な私のまぶたはノックアウト寸前。
朦朧とする意識の中、身体が前後にふらつきながらも、何とか午前中をクリアー。
まるでダメージをおったボクサーがゴングに助けられた感じだ。

おお~前回よりもなかなかリッチな弁当ではないか。
さらりとたいらげた、が、私にはちょっと足りない。女の子には丁度いいかもね。

午後は毎回お馴染みの顧問弁護士先生登場
そしていつもの一言
「私はあちこちの顧問を引き受けておりますが、なかでもここ青森県は一番好きなところです。なぜなら、ここはすごい、これだけ長い時間講習を受けながらも、眠る人がひとりもいないですもんね!・・・さあ、それでは始めましょうか」
会場はかるく盛り上がりをみせ、そして講議が始った。

ジョークながら眠るに眠れない状況に追い込まれながらも、地獄の睡魔大王がやってきては軽くいなされた。
もうなにをやっても身体が動かない。まぶたが開かない。首が折れ曲がったままもとには戻らない。

ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

記憶は無く、講習は無事終了!


「さらば、ホテル青森よ、5年後また来るよ、たぶん」

なんでだろ、本を開いた瞬間から睡魔が襲ってくる、まるで中学生の頃のまま。
そしてまた、不思議と本を閉じた瞬間からシャキリと目が冴える私なのでありました。