秋の怪奇と舌鼓

AM5:30

ピッピッピッピッ・・・・・・

目覚まし時計の乾いた発信音が起動前の鼓膜を揺り動かし、うっすらと目が覚めた。
なんの違和感も無い。
なぜなら、毎日の事だから。

未だ薄ぐらいが、どうやら雨ではないようだ。
早速、ナイロンのオーバーパンツとパーカーに着替え玄関の扉を開けた。

まずは首を前後左右に屈伸させ全身をリラックスさせてから準備運動に入る。
次に上半身を前側に倒す前屈運動に入った、そんな時だった。
私の足元に何か得体のしれない無気味なものがあるのに気が付いた。



「なんじゃっこれは?」



見るからに気持の悪い物体ではありませんか。ミル貝の一種か?
なんて思ってもみたのですがここは草地、海ではありませんからそれは違うでしょう。
根元の方に何やらベイジュ色の袋状のものがあり、どうやらそれからニョキニョキと伸びている様子。
これはキノコの一種か?うん、そうかもしれない。

キノコと言えば秋。
秋と言えば強引でありますが「新ソバ」
新ソバと言えば、やはり「おきな」じゃありませんか。



早速、
ズズズズズズズズズズズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!

そんな、ことさら何も無い、平穏そのものの、秋の一日でございました。