奴は・・どうしてる?

前々回、せっかく時間を掛けて地上へと姿を現したのに、無惨にもたちまちのうちに足蹴にされ、茎からぼろぼろにされてしまった「名も無き草」を記憶している事でしょう。
数週間経った今頃「そう言えば・・・あれからあいつはどうなったかな~」などと私の旺盛な好奇心がメラメラと、まるで「浦見魔太郎」の怨念の炎の様に沸き上がったのであります。
そこで、早速デジカメを片手に殺草未遂事件現場へと駆け付けたのであります。

う~ん、私の記憶が正しければ確かこのあたりだったと思うのだが・・・・。
このあたりには小学校があり、しかもこの歩道は皆さんの通学路、そんな60年代のベトナムよりも危険な場所に存在するにはかなりの困難を伴う訳で、毎日がハラハラドキドキの連続の筈。
こちらからは手も足も出せない訳だから、じっと嵐が無事に過ぎ去るのを待つしか手段が無いのだ。

えっ・・・もしかしてお前?
私は目を疑った。あの無惨な姿からは想像もつかない程に回復している。
また、この数週間、何回も襲って来ただろう小さなスニーカー達ののランダムな攻撃をことごとくかわしてのこの勇姿。お涙ものだ。

それにしてもしっかりと回復したものだ。
あの時の惨劇がまるで嘘のように元気いっぱいに葉をひろげている。
ところで何と言う葉っぱなのだろう?って、そんな野暮な事は言いっこ無しにしよう。
どうせ樹木の名前すらろくに解らないんだから・・・。

「せっかくこの世に生まれたのだから、とことん生きて下さいませ」

名前はあるんだろうけど名も無き草へ、世間的に名も無きおっさんより!