岩木山をトコトコと

7月に入って連休をゲット出来た私は、かの津軽平野に悠然と鎮座する「岩木山」登山を決行。
午前3時に目を覚まして準備万端、午前5時をちょっと回ったあたりで自宅を出発、蔦温泉経由103号から黒石方面へと進路を変えて、まるで近未来型タイムトンネルのような雪よけトンネルをスル―。

その後102号にまたまた乗り換え、弘前に入ってからはひたすら3号にて岩木山を目指すも、前のタクシーがトロトロ運転全開、お陰さまで美しい岩木山全景をゆっくりと堪能できて、まあ、いっか。



嶽温泉郷へと無事に到着した私は、その目の前にある登山口へとひとり向かったのでありました。初めての山はわくわくします。


まだまだ巨木の域まで達してはいないだろうブナ林にはうようにひかれた山道を熊鈴を響かせながらひたすら歩き進みます。
風が通らないから蒸し暑いのですがなんのその。ヒーハ―いいながら一歩一歩、これがいいのです。


おおーっ、あれは確かパンフレットで観た8合目リフトではありませんか、とうとうここまで、ひと息入れましょう。

そしてまたそこから山頂への入り口へと向かい、さあ、あとちょっとであります。




9合目の避難小屋が見えてきました。このあたりでなにやら下の方から笛や太鼓の演奏が幽かに聞こえる、なんだ?とおもいつつもせっせとあの先に見える頂上を目指します。
ここからはほぼ大きな石の坂道が続きますが私のビブラムはしかっかりと接地面を咥え込んでセーフティウォーキング、とうとう山頂に到着出来たのでした。


山頂の小さな社から八甲田をのぞむの図。一寸先は断崖絶壁であります。


下界で買って来たサンドイッチを一口、エネルギーを充電していると先ほどから聞こえていた笛太鼓の音がどんどん近付いてきて、この山頂で合流したのでありました。



いったいなんなのだこの人達は?と思っていると、「私達は、登山囃子の仲間で、毎年この七夕の7月7日にこうやって御囃子で山を登るんですよ」との事。
なんとラッキーなシチュエーションではありませんか、しかも今日が七夕だったなんて、たった今知ったところ、そう言えばそうだったか・・・とかなんとか考えが廻っているうちになんと今度は山頂演奏が始まりました。
これには感動したしました。「ブラボー、すばらしい」。時間のずれも考えると年一、こうやってこの方々に遭遇できる機会ってまずありえない確率、最後は盛大な拍手で山頂は大盛り上がり、素晴らしい時間でありました。ありがとうございました。

サンドイッチも腹に収まり、英気を養った私は下山へ。
するとなんと今年初のセミの声、下界ではまだまだ先の出来事のはず、どれどれと背丈の低い木の間をそろり覗くと、いるではありませんか、小さなセミ君が、なかなかかわいいものです。

じっと覗いているとそろそろと歩き私から反対側に移動、隠れてしまいました。
グッバイセミ君、また来るよ。

その後は休む事も無く、怪我も無く、途中デカビタドリングを買ったので小銭も無く無事に下山、ここもまたほんとうに美しい山でありました。ありがとうございました。
次回は違うコースに挑戦したい、なーんて思わずにはいられない山であります。




縄文人の宿の源泉掛け流しにて汗を流し、岩木山神社前のなかの食堂さんでラーメンを食し、これ以上ない幸せな気分を抱きしめて3号線をひた走り、八甲田を経由して帰路についた1キロ程体重が減ったものの腰に若干の違和感を抱えてしまった私でありました。