ん、この下品なアクセルワークは・・・。

出勤してからランチルームで雑誌に目を通しているとなにやら下品な空ぶかしのバイクがパーキングスペースへと着いたもよう。
この無駄以外のなにものでもない余計な空ぶかしはスタッフ・ジンのものなのだが、エンジンの刻むエギゾーストノートはどう考えてもハーレーの三拍子でありSRのそれとはまったくちがっていた。
えっ、とうとう奴のハーレーが出来上がったのかもしれない・・・そう直感した私はすかさずパーキングスペースへと向かったのであります。

と言うのもこの半年、奴はバイクを買った事を私にかくしていたのであります。まあ、正確に言えば「かくしたつもり」でいたのであります。
奴が買ったらしいことはそれを買った時点ですでに私の耳にはとどいていて、せっかくなので知らないことにしておこう面白いから、という事になったのであります。
しかし買った事を他方で知ったみんなが次から次から私に話すのであります。知らないでいる風を装うのに、私ももう大変。
そうとも知らずに奴はひとり秘密裡にコツコツとカスタムを進めていて、時には自分からポロリと言いだしそうになり、ふにゃふにゃと言葉をにごす事もたびたび・・・。

そんなこんなで苦節半年、ついに完成をむかえた模様であります。
その場へ行ってみると、満面に笑みを浮かべたジンがそれを指差し力強く言いなはったのであります。
「どうすか!!!!実は買ってたんすよ========ハッハッハッハッ========!」
決っしてその腰を折る気はさらさらございませんが、私も言ってやりました。
「とうに知ってるわい!そんなこと、ジャンジャン!」
という不甲斐ない具合に相成った訳であります。
それでもまあ、まずはめでたい!




コンパクトに仕上がったアイアンであります。
ビンテージの分割タンクのブルーがいい感じに全体のイメージをアップしています。アンバランスのバランス、と言っていいのか解かりませんが、よくもまあ自己主張の強い個々のパーツ達をここまで粋にまとめられたものです、感心します。


異様に伸びたフィッシュテールはやはりこの長さが必要なのでしょう。この長さがあるからこそ全体のバランスがとれているように映ります。
ハンドルも人気のフランダースを彷彿とさせる形状でオールドレーサーな雰囲気を十分に醸し出しております。今までにない斬新なスタイルと言っても過言ではないでしょう。
これからまた、奴はますますこつこつとこのアイアンに手を加えて行くことでしょう。
これからがまた楽しみな一台であります。
また、残りあと1点で免停になるだろう奴の免許証の行方もどうなるか楽しみであります。